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婦人科一般

月経の異常

月経に関する悩み事は、婦人科受診での理由の大半を占め、毎月の月経に多くの女性が悩んでいます。20~30代女性の月経不順などは、ストレスや睡眠不足からの疲労、ダイエットによる栄養障害などが主ですが、他に何か原因がある場合もあります。
月経は自然なことですが、日常生活に支障が出る場合は治療を行います。最近では月経痛でピルを服用される方も増え、保険が適応されるピルもあります。

稀発月経

日本産婦人科学会のガイドラインから、日本人女性の月経周期は25~38日で、持続期間は8日以内と定義されています。39日以上間隔が開くような、長い周期を「稀発月経」と言います。
原因は、卵巣の働きが不十分なために、ホルモンが順調に分泌されていないことが考えられます。しばらく様子をみても、周期の長い状態が続くようなら、ホルモンバランスの状態や排卵の有無を調べたほうがよいでしょう。排卵の有無を知るには基礎体温表をつけてみることも有効です。

頻発月経

月経周期が24日以下の短いサイクルになることを「頻発月経」と言います。
原因としては、ストレスによるホルモン分泌の低下、特に黄体ホルモンの働きが不十分で、排卵日から月経開始までの期間が短くなる場合が多いです(黄体機能不全)。妊娠出産を望んでいる方は、早めに婦人科を受診し、ホルモンの分泌状態を調べたほうがよいでしょう。黄体機能を調べるにも基礎体温表チェックは有用です。

過長月経と過多月経

月経期間が9日以上続く状態を「過長月経」と言います。そして過多月経とは、出血量のトータルが150ml以上あることをいいますが、細かい経血量までわからないので、症状に気付かない方も多くおられ、内科で貧血症を指摘され初めて気付かれることがあります。
レバー状のかたまりが混じる場合には、子宮筋腫、子宮内膜増殖症、子宮がんなどが原因になっていることもあるので、注意が必要です。

過短月経と過少月経

月経が2日以内で終わってしまうような場合を「過短月経」、経血量が極端に少ない状態を「過少月経」と言います。
女性ホルモンの分泌量が少ないため子宮内膜が厚くならない状態で、子宮の発育不全や甲状腺機能の異常が原因のこともあります。
月経は来ていても排卵の無いケースも考えられ、周期的なホルモン剤治療が必要なケースもあります。

月経困難症

「生理痛」に悩まされている女性の方は非常に多くおられます。
よくある「生理痛」とは、市販の鎮痛剤服用1錠で治まるケースなどのことで、積極的な治療を必要としません。ところが、痛みの程度が増して、痛みの期間が長くなった場合、鎮痛剤の効き目が悪く感じるようになった場合、腰痛・頭痛・発熱・嘔吐などを伴う場合、仕事や学業に集中できない場合などを総称して「月経困難症」といいます。
月経困難症はホルモン分泌の異常による「機能性月経困難症」と、子宮内膜症や子宮筋腫などが原因になって起こる「器質性月経困難症」に分けられます。診察から2つの分別を行い、治療に移行していきます。

非ステロイド性抗炎症薬
女性ホルモンは子宮内膜に作用してプロスタグランジンという痛み物質を作ります。
これの作用から子宮が収縮して、腹痛や腰痛などを引き起こしたりします。
まずは、プロスタグランジンが作られることを阻害させる目的で、非ステロイド性抗炎症薬を処方いたします。
超低用量ピル

ご希望から低用量ピルを第1選択薬として、症状を軽減することも十分可能です。
月経困難症の速やかな症状緩和を目指しています。

漢方薬
漢方薬治療に即効性は期待できませんが、4~12週間の投与で症状緩和があり、体質をゆるやかに改善することで、次いで複数の症状緩和(副効能)が期待できるとされています。
当帰芍薬散、桂皮茯苓丸、加味逍遥散、芍薬甘草湯、温経湯、桃核承気湯などから患者さまの体質や症状に合わせて処方しており、芍薬甘草湯などは、月経痛が激しい場合に頓服で用いることもできます。
ミレーナ
子宮内にリングを挿入し、黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を持続的に放出させるシステムです。リングにより子宮内膜の増殖を抑えて経血量を減少させ、その結果で月経痛が軽減されることとなります。
欧米でのガイドラインで、月経困難症に対し最も考慮されるべきと述べられており、日本でも保険適用になっています。
その他
10代の方々に多い子宮発育不全に伴う、月経困難症と考えられた場合では、保険適用もあるブチルスコポラミン剤が有用の場合があります。
また、心理・社会的背景が関与している可能性がある場合、離脱が速やかで短期間使用が可能なSSRI(エスシタロプラム)剤も考慮いたしますが、嘔気に注意が要ります。

月経前症候群

月経前のさまざまな体調不良を、月経前症候群(PMS)、月経前不快気分障害(PMDD)と定義されています。月経3~7日前に症状が現れ、月経開始とともに症状が軽減又は消失する状態です。
主な症状には、お腹の張り、腰痛、乳房痛、頭痛、手足や顔のむくみ、イライラ、不安感、抑うつなどがあって、心身の両方に症状が出やすくなります。女性の5~10%にPMS・PMDDがあるとされ、原因はホルモンバランスの乱れやストレスなどの関与が指摘されています。
治療はホルモン療法、その他の薬物療法から、症状やご希望に合わせ選択いたしますが、現在の月経前症候群の治療に「低用量ピル」が第1選択薬となっています。特にPMDDに関しては、第四世代ピルが著効すると報告されています。

低用量ピルの処方

多嚢胞性卵巣

生殖年齢女性の約8%に発症し、原因として排卵障害から月経異常をきたすことが有名です。
病態は、肥満、遺伝、環境などの複合的な因子からの発症とされ、超音波検査と血液検査で診断されています。
治療は、まず適正なBMI(目標25以下)に近づけるための減量が重要で、次いでは①クロミフェン療法で排卵誘発する。②黄体ホルモン療法で数カ月間の周期的月経を起こす。③LEP療法で男性ホルモン作用を低下させるなど、これらが治療法として挙げられます。

おりもの(帯下)の異常

月経周期により、おりものは量・色・粘り具合などが変化しますが、基本的には病原微生物が腟内を通過するのを防ぐことで、体内を守る働きをしてくれています。腟の酸性度を高める乳酸桿菌という善玉菌が存在し、有害な病原微生物の増殖を防いでいます。
しかし、このバリヤーが破られると、チーズや酒粕のような分泌物、色が茶褐色や黄緑色、悪臭を伴うなどの症状が出現します。
主な病原微生物として大腸菌、ブドウ球菌、カンジダ症、クラミジア、トリコモナス症、淋菌などが挙げられます。
種類によっては、パートナーの治療が必要なケースもあります。気になることがあれば、早めに受診なさってください。

膀胱炎

大腸菌などの細菌が膀胱内に入り込むことで起こる病気であり、女性によく見られます。
高熱は伴いませんが、1日に何度もトイレに行きたくなったり、排尿時に下腹部の不快感が起こったりします。また、尿が白く濁ったり、血尿が出ることもあります。
性感染症が原因となっている場合もあるので、検査を行った上で、内服薬を用いた治療を行います。

子宮筋腫

成人女性の25%の方が、何らかの子宮筋腫をもっていると推測されており、健康診断などで指摘されますが、小さいものであれば、無症状のことが多く、経過観察で構わない場合が多いようです。しかし、部位や大きさによっては、過多月経や不正出血や腹痛の原因になることがあります。
よって、子宮筋腫が有るのか無いのか。有るのなら子宮のどの位置に、どのような大きさで、どのような症状とともに持っているのか、あらかじめご自身で知っておくべきだと思います。
日常生活には支障がなくても、短期間で大きくなった場合は治療対象にもなりえるかもしれません。また、妊娠を希望される際に、その子宮筋腫が不妊や妊娠期間中のトラブルの種になるかもしれません。
簡単な超音波検査で、子宮筋腫の状態チェックが可能ですので、将来への見通しを立てた計画を考えていきましょう。

子宮内膜症

成人女性の10%にみられ、主に20~30歳代で多い病気が子宮内膜症です。月経血の中にある内膜組織が、子宮から卵管を逆流し、腹腔内に至って生着することが原因とされています。そして最も困るのは、不妊症の原因になりえることにあります。以下のような症状がある方は、ぜひとも受診をお勧めいたします。

  • 10代の頃から生理痛がひどかった。
  • 生理痛が年々ひどくなっている。
  • 痛み止めが効かなくなってきた。
  • 性交時に痛みが走る。
  • 普段から排便痛がある。
  • 月経時に下痢・吐き気がある。
  • なかなか妊娠できない。

保険適用での治療の第一選択薬は、主に月経困難症でも用いられている低用量ピル(フリウェル・ドロエチなど)、第二選択薬は、偽閉経療法(ジエノゲスト・レルミナなど)が有用ですが、妊娠をお考えの場合ではそうもいきません。その他では、黄体ホルモン剤によるクール療法、腹腔鏡手術などを一緒に考えてみましょう。

子宮脱と尿もれ

骨盤底筋がゆるむと骨盤内にある臓器は、腟から下垂・脱出するようになり「子宮脱」「膀胱瘤」「尿道瘤」「直腸瘤」などに分類されています。子宮脱が生じると、外陰部の違和感、腫瘤感を感じるようになり、長時間歩いたあと、立ち仕事中、入浴中などに下垂感として症状が出てくるのが特徴です。頻尿や尿もれ、逆に尿が出にくいなどの症状を伴うこともあります。症状が軽度の場合もしくは予防目的で、骨盤底筋トレーニングを行うことは有用ですが、腟内にリング状のペッサリーを挿入しておく場合があります。
子宮脱とは別に、尿もれや頻尿は40歳代では3人に1人で経験があると言われ、ご高齢の方だけが悩まれている症状ではありません。
女性は男性に比べて尿道が短く直線的な形状であり、出産イベントを有したりすることが原因と考えられています。
これらは、あまり人には話しにくい症状ですので、お一人で悩まずお気軽にご相談なさってください。

子宮頚がん検診

子宮の入り口を検査専用のブラシでこすって、採取した細胞を顕微鏡で診断します。よく検査による少量出血がありますが、すぐに治まり、痛みは伴いません。子宮頚がん検診の結果は、1週間後にお伝えいたします。
検査からは細胞の形や色などで、正常か追加検査が必要かを判断しています。子宮頚がん検診で異常が見つかった場合は、精密検査を行い、その後で治療方針をご相談することとなります。
さて、無料クーポン券からの住民検診で行っているのは子宮頚部がん検査だけなので、子宮筋腫や卵巣腫瘍の診断はできません。
子宮筋腫・子宮体がん・卵巣腫瘍の診断には超音波検査が有用で重要視していますが、腟内に超音波の先を挿入しますので、性交経験のない方には、事前にご相談いたします。

コルポスコピー検査

子宮頚がんが疑われるときは、必要に応じてコルポスコピー検査を行い、子宮頚部の状態を詳しく確認します。
拡大鏡を用いて子宮頚部を観察することにより、子宮頚部病変の程度と広がりを把握でき、必要に応じ病変部の一部を切除して顕微鏡で確認します。

子宮体がん検診

子宮体がん検診は、月経以外に不正出血が続く方、出産経験のない方、肥満・糖尿病・高血圧のある方にお勧めします。子宮内に約2mmの細いブラシを入れて細胞を採取します。この際に軽度の痛みと出血を伴うこともありますが、ごくわずかな時間で済みます。
結果は子宮頚がんと同様、1週間後にお伝えいたします。
結果に疑わしいところあれば、さじ状の器具を使った組織採取とした精密検査を行います。さらに必要に応じて、超音波検査や血液検査、CT・MRI検査紹介も行います。このように、子宮体がんに限らず、初期のがんは見落とさないことが肝要です。

卵巣腫瘍検診

卵巣腫瘍自体は、多く見られる病気では有りませんが、自覚症状が出るのが遅い故、肝臓や膵臓と同様に「沈黙の臓器」と言われています。
大きさが3~4cm程度では自覚症状がないことがほとんどですが、握りこぶし(6cm)を超えると症状が出現し、突如に破裂や捻転を起こすこともあるので、注意が必要です。

卵巣腫瘍はのう胞性と充実性に分けられ、全体の90%がのう胞性です。

  • 水のようなサラサラした液性の漿液性のう腫
  • ネバネバしたゼリー状の液性の粘液性のう腫
  • 脂肪、骨、毛髪などが含まれた皮様のう腫
  • 古い血液が固まった内膜症のう腫

主だったのう腫は、そのほとんどが良性に経過します。一方、充実性腫瘍とは中に組織が詰まった硬い腫瘍のことで、超音波検査を用いた婦人科検診で見つけることができる病気ですが、良性・悪性・境界型の判定を行うまでは難しいケースが多いです。この場合、腫瘍マーカー検査あるいはCT・MRI検査紹介を行います。
卵巣腫瘍は、発見も遅れがちとなる病気です。つまり、自覚症状が無くても、年に1回くらいでは婦人科検診を受けておいて下さい。

性感染症チェック

性感染症は、性交が原因となって感染を起こす病気の総称で、不特定多数のセックスパートナーと性交がある場合では、かかる確率も上がります。代表的な性感染症は、淋病、クラミジア、梅毒、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ、トリコモナスです。
症状に思いあたる方や、パートナーが性感染症にかかった方は、速やかに検査をお受けになってください。

院 長
出口 純
診療内容
婦人科一般、ピル処方、レーザー治療、
更年期相談、中絶手術、その他
TEL
079-221-5107
住 所
〒670-0942 
姫路市日出町3丁目38-1
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